学級創り 最初の一週間


   目の前の子どもから


   ◆子どもを見て
   私の仲間は、熱心な人が多いです。
   春休み中に、かなりの準備をします。
   教室環境、始業式に何を話すか、係、当番、授業などなど。
   すばらしいことだと思います。
   しかし…
   盲点があります。
   それは、子どもを見ていないということです。
   子どもあっての実践です。
   最初にこどもありきです。
   私の場合、子どもの実態を見てから考えます。
   ※もちろん、考えておきます。いろいろと。
   子どもを見てから、どういう切り口で迫るかを決めるのです。
   いつも同じは、ダメです。
   子どもに合わせないといけません。
  
   今回は4年担任。
   前回(2年)とは、えらく違います。
   スタート時点で、決定的に違っているのです。
  
   とはいっても…
   毎回共通している点もあります。
   たとえば、次です。
  
   ◆意識改革
   子どもの意識を改革します。
   
   ◆意味を教える
   ふだん何げなくやっていることの意味を教えます。
  
   ◆めんどうくさい→楽しい
   ゲーム感覚でやらせます。
   どうせやるなら楽しく。
  
   ◆がらっと変わる
   ちょっとの指導でがらっと変わる。
   この実践から入ります。
   最終的には、たくさんの指導でちょっと変わるところを目指します。

  1日目

  今回、担任発表は6年生からでした。
   掟破りですね。
   個人的には、このようなことが好きですが…
   皆さんはどう思ったでしょうか。
  
   さて、4年生の番です。
  「4年1組…杉渕鉄良先生」
   意外そうな顔をしていましたね。
   まさか、私が担任になるとは思っていなかったのでしょう。
   子どもたちの前に立ちました。
   男子は、意外そうな顔をしています。
   女子は、よかったという顔です。
   私の思いこみでしょうか(笑)
  
   始業式が終わり、桜の木の下に集めました。
   あいさつをしました。
  「担任の杉渕です。これから1年、共にがんばりましょう」
   一人ひとり、名前をいわせました。
  「Aです」
  「Bです」
   というように。
   子どもの顔と名前を覚えます。
   1回で全部覚えるよう集中します。
   ※名前をすぐ覚えることが、関係づくりの第一歩です。
  
   話
  
  「4年生は、一生に一度しかないことがくるときです。
   それは何でしょう」
  
   子どもたちのいいところをいいました。
   ・歌が上手 すばらしい素質がある。
  
   方針を話しました。
  
   小出監督と高橋選手との関係
   君たちの中に眠っている力を引き出す。
   最大限の努力をするので、君たちも最大限の努力をしてほしい。
  
   子どもたちは、真剣に聴いていました。
   昨年の始業式とは、えらい違いです。
  
   さあ、2003 杉渕学級がスタートしました。
  


  2日目

   本当の意味で初日。
   3か月分のエネルギーを投入する。
  
   授業による学級創りのスタートである。
   今日のメインは
   ・表現
   ・学習法
  
   である。
  
   チャレンジタイム
   合同でおこなう。3年生と。
   イメージをつくってもらう。
   ※3年生担任は、2人とも異動してきた方
  
   漢字…部首カード(全員)
   計算…10マス計算(前杉渕学級)
   音読…元2年組→4年生→元2年1組→全員
    ※明らかな違いがある。
    ものすごい違いである。
  
   【表現読み】
   『スイミー』冒頭部分。
   技術的なことも扱う。
  
   チャレンジタイムを受けての1校時
   音読から入る。
   『スイミー』を音読させる。
   全員→一人ひとり
   いろいろやらせる。
  
   ◆一人一人を指導
   ・よい点をほめ、次なる課題を与える。
   ※すでに、全員の名前を覚えている。
  
   ◆今まで彼らがやっていた音読とまったく違う。
   最初は、かなりとまどっていた。
   変な癖がついている。
   しかし、指導するとできる。
   癖は、はやくとれそうである。
  
   【学習法を教える】
   10マス計算の導入
   できない。
   2×3ができない子がいる…
   全体的にスピード不足。
   学習方法を教える。
   あとは、本人次第。
   ※やるかやらないかは、当人の問題。
  
   ◆学習法
   とても重要な問題である。
   できない子は、無駄な努力をしている。
   ※努力ではなく、「どりょ苦」になっている。
   10マス計算の学習法は、他のすべてに活用できる。
   例 ・できるところ、できないところをわける
     ・1つずつやっていく→ステップ
     ・限定してやる
     ・変化あるくり返し
  
   音読
   【表現】
   歌
   歌を歌わせる。
   技術を教える。
   格段によくなる。校歌『大空高く』
   ポイントを教える。
  
   ◆歌う声
   音楽の先生の指導が活きている。
   昨年度のスタートとは、えらい違いである。
   2人以外、歌う声が出る。
  
  
   大掃除
   基本的に、まじめに一生懸命やっていた。
   教室は、私が担当。
   学習ルーム、ランチルーム(しらさぎ、さくらそう)、日本語学級教室
  
   教えたこと。
   ・時間を守る。→授業を延長しない。チャイムで授業を終える。
  
   家庭学習スタート
  


  3日目

  4月9日(水)
  
   体育朝会
   体育主任になったので、私がおこなう。
   ・並び方
    号令に合わせて
    号令なしで
    並べるか→桜の木にタッチして戻ってくる。
    1年生もおこなう。
   ・姿勢
   ※「指先に氣持ちを入れよう」
   指導を継続しないと、すぐ元に戻る。
  
   TTの授業
   算数と理科、週2時間ずつ、TTでおこなう。
   講師の先生を紹介。
   学習法を教える。
   前日の続きである。
   これをマスターすると、実力が3倍になる。
  
   【10マス計算(かけ算)上達法】
   練習方法を教える。
   分析方法を教える。
   得意なところと苦手なところにわける。
   苦手なところに○をつける。
   ノートに書き出す。
   ※即答できないところはすべて苦手のほうに入れる。
   そこを練習する。→焦点化して練習。
  
   0〜9の段まで、すべて10秒以内にできる子は、連続へ。
   10列続けておこなう。
   1列ずつやったときの合計タイムと連続のタイムを比べる。
   「この差はどこからくるのだろうか」
   違いを考えさせる。
   などなど。
  
   音読は、『スイミー』の冒頭部分を扱う。
   1つのことを極めると、他に波及する。
   同じ部分だから、成長がよくわかる。
  
   ポイント 昨日より成長しているか。
   →昨日学んだことを活かして音読できるか?
  
   ・がらっと変わった
   ・少し変わった
   ・ほとんど変わらない
  
   3つに分類 自分はどれか
   ・意識
   ・表現
  
   練習の意味を教える。
  
   『スイミー』で学んだことを活かす。
   『春のうた』を読ませる。


   4日目
  
   チャレンジタイム
   ・10マス計算(かけ算) 学習法
   ・音読『スイミー』冒頭部分 一斉
   いずれも上達している。
   特に、音読はよくなってきている。
   10マス計算、できない子が伸びている。
   練習方法を教えた。
   あとは、やるだけである。
   やればできるようになる。
   努力するかどうかの問題である。
   ※できない子に限って努力しない。
    蛇口をひねっても、水を飲もうとしない。
    問題は、「やる氣」である。
    「どうしたら、やる氣を引き出すことができるか」
    一人ひとり違ったアプローチが必要である。
  
   音読、隣のクラス(3年生)からすばらしい音読が聴こえる。
   それに刺激されている。
   今のところ、圧倒的な差がある。
   ※昨年度受け持った子どもたちなので。
   やる氣、声、表現力。
   いつ追いつけるか?
  
   音読 今度は、一人ずつ。
   前日とはえらい違いである。
   ほとんどの子が、目に見えて上達している。
   意識したことを表現できるようになってきている。
   ※このへんは、さすがに4年生。
    わかれば→やる→できる
    このような子が多い。
    問題は、やはり…「やる氣」の出ていない子。
   
   『春のうた』
   春の感じを出すために、次の言葉を言わせる。
  
   「春 真冬」
   がらっと変えていわせる。
   ・春…さわやかに、軽く、上に響かせるように
   ・冬…地声、重く、下に
   これまた上達している。
   男子がいい。
   女子は,U子さんの表現がすごかった。
   爆笑
   女優なみの表現である。
   ※はやくも「はずかしい」という殻を破った。
  
   『春のうた』の「春」とは?
   考えさせる。
   たとえば…
   ・冬に近い春
   ・真ん中
   ・夏に近い春
   春といっても、幅がある。
  
   【見方・考え方の導入】
  
   「黒い目のきれいな女の子」
   見えないものを見えるようにする。
  
   「黒い」について分析させる。
   「何が黒いのか」
  
   算数
   ・わり算の意味
   ・穴あき九九→全然できない。
   ・わり算(あまりなし)
   ・わり算(あまりあり)
   ・わり算の筆算
   ノートの使い方(算数編)の導入
  
   総合的な学習
   オリエンテーション
   ・自由研究 例をあげて説明する。
   ・理科、社会科との関連
   これからやること
  
   帰りの会
   
  

   5日目

   4月11日  
   
   ◆チャレンジタイム
   10マス計算(かけ算) システムに慣れてきた。
  
   漢字の導入
   ・フラッシュカード
    成り立ち(古代文字)、魚編の字、干支
   どれくらい覚えるか。
   「道を覚えるのは運転手、助手席の人は覚えない」
   意識がすべてということを教える。
   たくさんやると飽きる子が出てくるので、少量がよい。
   少なすぎるくらいでいいかもしれない。
   読み 1年生で習った漢字だが…「下流」など
   読みかえの字は難しい。
   読めない子は、まったく読めない。
   対語 男⇔女、右⇔左 など
   反対を答えるのは難しいらしい。
   覚えるとき両方覚えると、一石二鳥。
   ※覚え方の学習
  
   ◆算数の授業
   穴あき九九
   時間がかかる。
   九九はできても、ちょっと形が変わるとできなくなる。
   ※わり算と同じ。→厚みをつける。
   思考パターンが変わると、とたんに難しくなる。
   晴れのときはつよいが、雨になるととたんに弱くなる…
   コンディションに左右されるのと同じ。
   トレーニングが必要である。
   1回目と2回目の違い。→2回目はどれくらい上達するか。
   ※練習の意味。
  
   わり算
   一斉指導→個別指導
   板書 何問か一緒にやる。→一人でやらせる。
   指かくしの手法。
   唱和(声を出して解き方の説明をする。)
   教師のまねをさせる。
   ※声を出すことが重要。
  
   計算の工夫(頭の使い方)
   昨日テレビでやっていた「計算ロボット」
   頭を使えば、計算が簡単になる。「形」を変える。
   ※工夫の大切さ
  
   理科 総合的な学習とのリンク
   ◆見方・考え方
   「重さは変わるか」
  
   両足で立ったとき、片足で立ったとき
   重さは変わるか。
    A 変わる
    B 変わらない
  
   理科 予想→実験→考察
  
   キーワードは「予想」
  
   全員発言
   指名なし発言の形
   全員発言する意味  100と99の違い。
  
   体育
  
   年間を通して
   ・大なわ
   ・SOHRAN
  
   いろいろな走運動
  
   学級 クラス創り
  
   『スイミー』冒頭部分の音読
   かなりよくなってきている。
   毎日やっているので、慣れてきた。
   わけがわかってきている。
   進歩している。
  
   『かがやき』教科書扉の詩
  
   雲を見て …視線
  
   「雲がかがやいている」の部分
    ・雲見ながらいう(同時にいう)
    ・雲を見てからいう
    ・いってから雲を見る
  
   ◆その他いろいろ
  
   かなり盛りだくさんの1日だった。
   今日で1週間終了。
   1クールの前半が終わった。
   手応えあり。
   早くも子どもたちは、変わってきている。
  
  

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