一文解釈
    一字の違い  

 たった一字の違い

 パンは、少し余っている。
 パンも、少し余っている。

 この違いを考えさせる。
 
 「どこが違いますか」
 「『パンは』と『パンも』が違うと思います」
 「ぼくも、『は』と『も』が違うと思います」
 「『は』と『も』が違います」
 「『は』と『も』一文字だけ違います」
 「たった一文字違います」
 「ちょっと見ると同じように見えます」
 「よく見ないと同じように見えます」
 「ぱっと見ただけでは、同じように見える人もいると思います」
 「では、『パンは』と『パンも』はどう違いますか」
 「パンは」
  ・パンだけという感じがする。
  ・他のものは余っていない感じを受ける。
 
 「パンも」
  ・パンだけではなく他のものも余っている。
  ・パン以外のものがあることがわかる。
  ・たとえば、フルーツ、スープ、バター、ジャムなど
  ・いろいろなものが余っている感じを受ける。
 
  など。
 
  

  たった一字の違い 2
 
  
 ・お祝いの食事は、赤飯がいい。
 ・お祝いの食事は、赤飯でいい。

 
  内容と指名なし発言の技法。
  発言のつなげ方の練習。
  ・同じ発言を3つつなげる(3つまではオーケー)
    ↓
  ・「少しずらす」
  ほんの少しずらす(表現のしかたを変える)
  ・つっこんでいく
 
  このようなパターンで発言させる。
  
  「が」
  ・強い意志。
  ・「これだ」と決めている。
  ・赤飯が食べたいと強く思っている。
  ・その他いろいろ
  「で」
  ・他に食べたいものがあるが、しかたなくという感じ。
  ・自分が好きなものがなければ、赤飯でいいという感じ。
  ・何でもいいという感じ。
 
  「違い」
  「が」のほうは、自分からいっている。
  「で」のほうは、聴かれて答えている感じがする。
  その他いろいろ。
 

 「は」と「こそ」
 
  今年は〜
  今年こそ〜
 
  「こそ」は、長い期間準備した感じがする。
  何度も挑戦していて、まだできていないこと。
  思いが強い。
  やろうとしているのだが、できない。
  努力、工夫をしてきたのだが、できない。
  (例)
  今度こそ、金を取る!
  「は」
  今考えたような感じ。
  今年になってから、考えた感じ。
  
  どちらの方が強いか→「こそ」
   氣持ちが強い。思いが強い。
   決意している。
   今まで何かの理由でできなかったことを実現したい。
 
 
  限定して考える。
  見えないものが見えてくる。
 
 
 

  「を」と「へ」
  

  近藤くんは、東京へ出発した。 
  近藤くんは、東京を出発した。 

   
   「へ」 ○○→東京
  
   「を」 東京→○○
  
   ・出発点が違う。
   ・スタートするところが違う。
   ・到着点も違う。
   ・スタートとゴールが違う。
   今考えたような感じ。
   今年になってから、考えた感じ。
 
  一字の違い

   今日は、いくつも扱う。
  
   
  象を三頭ほど見た。
  象を三頭だけ見た。

  
   
  雨が強まり、水かさが増す。
  雨が強まり、水かさまで増す。

  
   
  テレビを見る。
  テレビばかり見る。


   ※子どもたちが得意な問題(笑)
    実感がこもっていた。
   
  「テレビを見る」
   ・見たい番組だけを見る。
   ・選んでみる。
   ・長い時間見ない。
   ・宿題、手伝いなど、やることをやってから見る。
  「テレビばかり見る」
   ・私のこと(笑)
   ・見たくもないのにだらだら見る。
   ・続けて見る。
   ・長い時間見る。
   ・おせんべぼりぼり食べながら。
   ・寝っ転がって見る。
   ・やることをやらないでテレビを見る。
   ・1日だけでなく、毎日がそう。
   
 

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