『きつねの窓』 学習の手引き



 『きつねの窓』学習の手引き

 基本をマスターしましょう。
 どのように読んでいったらいいか、この手引きを元にして考えてみましょう。

 イメージを広げる
 ぼくは、そこにこしを下ろして、あせをふきました。

 という文章があります。授業でやりましたが、もう一度読んでいきましょう。
 この文では、イメージを広げる練習をしてみましょう。
 まず、わかったことを書いてみます。たとえば、
 ぼくは、「こしを下ろして」いる。
     「あせをふいて」いる。
 書いてあることをそのまま発表しましょう。
 次は、書いてあることから書かれてないことをイメージするのです。
 「そこに」と書いてあります。さて、「そこ」とはどこでしょう。
 いろいろな答え方があります。
   花畑
   ききょうの花畑
   美しいききょうの花畑
   広々とした野原
 このような考え方もあります。
   石の上
   草の上
   ききょうの花の上 
 次のようにも考えられます。
   ぼくにとって氣持ちのいい場所
 イメージを広げてみましょう。
 目を閉じて、頭の中のテレビをつけるのです。映像をうつし出しましょう。
 
 何が見えますか。近くは。遠くは。
  どんな音が聞こえますか。
  天氣は?
 風はあるのですか。あたたかいのですか。涼しいのですか。

 ノートに、自分のイメージを書いてみましょう。

 比べてみる
 と、そのとき、ぼくの目の前を、ちらりと白いものが走ったのです。

 という文章があります。
 ここでは、比べてみる練習をしましょう。
「ちらりと白いものがはしったのです」を取り上げます。
 まずは、わかっていることを書いてみましょう。
   「ちらりと」見えた。
   「白いものが走った」
 ここから一歩突っ込んで考えます。
 「ちらりと」見えるを、「(普通に)見える」と比べてみましょう。
 どう違いますか。
 「(普通に)見える」…(例)全部が見える。そのものが何かわかる。はっきり見               える。
「ちらりと」見える…(例)かすかに見える。ちょっとだけ見える。はっきり見え              ない。それが何かわからない。一瞬しか見えない。
 このように、比べると、見えなかったことが見えてきます。
 普通の場合、それから自分が知っていることと比べてみましょう。

 証拠を見つける

 次は、証拠を見つけることです。「ちらりと白いものが走ったのです」を取り上げます。
 「走った」と書いてあるから、その白いものは歩いていない。走っている。
 さあ、まずは比べてみましょう。「走る」といってもいろいろあります。「ゆっくり走る」「歩くようなさではしる」「すごいスピードで走る」など、スピードの違いを考えてみましょう。
 授業では「速く走っている」と考えた人が多かったですね。
 これはイメージです。イメージしたら、それが本当にいいかどうか確かめてみましょう。証拠を探すのです。 
 その文だけをみてもだめです。その文の前と後を見るのです。
証拠 「がばっと立ち上がりました」→速くて見失ってしまうからさっと立ったので                  す。
   「ききょうの花がザザーッと一列にゆれて」→速いから「ザザーッと」ゆれた                        のです。
 まだあります。「その白い生き物は、ボールが転げるように走っていきました」「ところが、その速いことといったら、ぼくが必死で走っても、追いつけそうにありません」なども強力な証拠になります。

 さあ、次の場面を読んでみましょう。
  まず、自分の力でやってみます。→この手引きを参考にしましょう。
  よくわからないところは、話し合いの時、みんなに聴くのです。

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