追究
     『川とノリオ』


 
 『川とノリオ』の授業
  
  ◆だいけんとう!

   題名から考える。
   「だいけんとう」
   題名を見て、聴いて、イメージしたことを書く。
   どのくらい書けるか?
  
   思ったより書けている。
   「川」について
   ・きれいな川
   ・汚い川(少数)
   ・浅い川
   ・深い川
   ・流れがゆっくりな川
   ・流れが急(少数)
   ・都会の川ではない。
   ・大きい川ではない。
   ・小川。
   ・荒川のような川
   ・魚がいっぱいいる川
   ・自然が豊かな川
   その他いろいろ。
  
   「ノリオ」について
   ・どうしてカタカナなのか?
   ・ノリオは、小さい子。
   ・4歳くらい。
   ・低学年の男の子。
   ・ノリオは、69歳(笑)
   ・いたずらっ子。
   ・その他いろいろ。
  
   「川とノリオ」
   ・ノリオは、この川で釣りをしている。
   ・いろいろな思い出がある川
   ・ノリオがよく遊ぶ川。
   ・ノリオはおぼれそうになったことがある。
   ・川とどういう関係なのか?
   ・ノリオの一生に関係する。
   ・川は、ノリオの友だち。
   ・楽しい思い出がたくさんある。
   ・こわい思い出もある。
  

 ★『川とノリオ』
 冒頭部分を扱う。
 ものすごく暑かったため、私の方から課題を出す。
 冒頭部分は、おもしろい。
 川が2つの言葉で表現されている。

川の音

川の声

 ・川の音とは?
 ・川の声とは?





「体がじょうぶで」

   ・風邪をひかない。
   ・風邪をひいてもすぐ治る。
   ・めったに病氣にならない。
   ・けがをしない。
   ・他の人に比べてタフ。
   ・長い時間働いても疲れない。
   など。
     
「気立てがやさしくて」

   ・親切
   ・困っている人を見るとほっておけない。
   ・おみつさんは、意識してやさしくしているのか、
    無意識に体が動いてしまうのか。
   ・無意識のうちに行動してしまう。
   ・だれにでもやさしい。
   ・人の仕事も手伝う。
   ・人を助ける。
   ・だれにたいしてやさしいのか。
    老人、子ども、赤ちゃん、同年代の人、男の人、女の人。
    すべての人にやさしい。
   など。
     
「くるくると働いていたので」

   ・よく働く。
   ・長時間働く。
   ・12時間くらい働く。
   ・頼まれたらすぐ動く。
   ・仕事がていねい。
   ・仕事がはやい。
   ・働くのが楽しい。
   ・働くことに喜びを感じている。
   ・働くのが楽しいから疲れない。
   ・1つの仕事が終わると、さっと次に取りかかる。
   ・いくつもいくつも仕事をしている。
   ・畑仕事、ものを売るなど。
  
   他にも、たくさん出された。


   おみつさんが、雪下駄に惹かれたわけ

   ・雪下駄に惹かれていることがわかるところをピックアッ
   プさせる。
   ※前回出されたもの以外。
   前時にかなりだされたので、それほどなかった。
  「どれくらいほしいのか」
   ・お金を貯めてでも買いたいくらいほしい。
   ・あきらめきれないくらいほしい。
   ・こんなことははじめて。自分でも驚いている。
   ・どうしてかわからないけれども、ほしい。
   ・この雪下駄に惚れてしまった。
    ひとめぼれ。
   ・この雪下駄に吸い寄せられている。
   ・その他いろいろ
  「おみつさんが、それほど雪下駄に惹かれたわけ   」
   ・若い娘だから、おしゃれがしたい。
    きれいな色、かわいい感じ、形がいい、上品
   ・この雪下駄をはいた自分を想像している。
   ・つくった職人さんの氣持ちがわかったから。
   ・こんなにきれいな雪下駄は見たことがない。
    これは特別な雪下駄。
   ・軽くてはきやすそう。
    はいてみなくても、はきやすいことがわかった。
   ・惹かれた理由は、よくわからない。
   ・その他いろいろ
   
  

   
  100倍細かくの手法を用いて、読み取る
  
   
「あったかい」

   この言葉から、何が見つかるか。
   どれくらい見つかるか。
  
   たとえば、次のような意見が出された。
  
   ・足だけではなく体まであたたかくなる。
   ・つま先だけでなく、足全体があたたかい。
   ・つま先まであたたかい。
   ・体温が逃げない。
   ・少しだけでなく、ずっとあたたかい。
   ・あたたかさが保たれる。
   ・風を通さない。
   ・雪がかぶさっても、あたたかい。
   ・長時間あたたかい。
   ・冷たくならない。
   ・寒さを感じさせない。
   ・おみつさんの心があたたかい。
  
  
「はきやすいように」

   ・長時間はいても疲れない。
   ・足が痛くならない。
   ・長い時間はいても、足が痛くならない。
   ・足にぴたっとする。
   ・はきごこちがいい。
   ・はいたとき、違和感がない。
   ・手を使わずにはくことができる。
   ・スムーズにはくことができる。
   ・はくとき、どこにもひっかからない。
   ・楽にはくことができる。
   ・ぬぐときも、さっとぬげる。
   ・はいたとき、ふわふわという感じがする。
  
   「うちの人は、どう思っていたか」
  
   「笑ったり、心配したり〜」
   という記述がある。
   これをどう読み取るか。
   ・格好がおかしい。
   ・左右不揃い。
   ・でこぼこしている。
   ・外見を見て笑っている。
   ・バカにして笑っているわけではない。
   ・お父さんは、しっかり編み込んでいることも見ている
   ・家族の中には、笑っていない人もいるかもしれない。
   ・いいわらぐつということはわかるけれど、お客さんが見
    るのは外見。
    だから、売れない…と思っている。
   ・売れるかどうかを心配している。
   ・売れなくて、おみつさんががっかりし傷つくことを心配
    している。
  
   などなど。
  
   けっこういい意見が出された。
  
   ◆証拠を見つける→それを解釈する。
  
   ◆お客さんの反応
  
「くすくす笑う」

   ・本当は、思いっきり笑いたい。
   ・思いっきり笑うとおみつさんを傷つけるから、こらえて
    いる。
   ・形がおかしいから笑っている。
   ・こんなものが売り物かと思って笑っている。
     
「あきれた顔」

   ・「こんなもの売れるわけがない」と思っている。
   ・変な形のわらぐつを売ろうとしていること。
  
  
   その他いろいろ。
  

   大工さんの見方 1
   
   普通の人の見方
   ・外見だけを見る人が多い。
   ・外側だけを見る。
   ・ちらっと見る。
   ・ちょっとだけ見る。
   ・中は見ようとしない。
   ・離れて見る。
  
   大工さんの見方
   ・見る前に、普通のわらぐつではないことに氣づいたか。
   ・氣づかずに、手に取ったのか。
   ・確かめるために、手に取ったのか。
   ・ちょっと見ただけではわからないので、手にしてみた。
   ・大工さんは、外見より中身を見る。
   ・中身を見るために、近づいた。
   ・中身を見るために、手に取った。
   ・調べるために手に取った。
   ・普通のわらぐつとくらべようと思った。
   ・中身とは何か
    重さ
    あたたかさ
    大きさ
    編み方
    底
    厚さ
    丈夫かどうか
    氣持ちがこもっているか
  
   などなど。
  

   大工さんの見方 2
   
   大工さんは、手にする前から氣づいていたのか?
  
    見る → 手に取って
  
   見る…目だけ、離れている、一部分だけを見る。
   手に取って…目と手の感覚
         じっくり、全部
         いいところを見つけようとした。
  
    直感 → 分析
  
「しばらくながめてから」  

   ・全部を見ている。
   ・いろいろなところを見ている。
   ・いろいろな角度から見ている。
   ・調べている。
   ・チェックしている。
   ・誰がつくったのか、考えている。
   ・この子がつくったのか?
  
   心の中では
   ・見事なわらぐつだ。
   ・頑丈だ。
   ・しっかり編み込んである。
   ・いい仕事だ。
  
   
「まじまじと見つめました」

   
    「見る」と「見つめる」の違い。
    「まじまじ」…意味を予想する。
  
   ・本当にこの子がつくったのか?
   ・まさか?
  
   「まじまじと見つめる」
   ・瞬きしない。
   ・じっと見る。
   ・長い間見る。
   ・おみつさんだけをじっと見る。
   ・目をそらさない。
  
   「ふうん」とは?
  
  「おみつさんがつくったわらぐつでなければ、買わなかった
   のか?」
  

   追 究

   深いところまでつっんでいく。
   大工さんが続けてわらぐつを買う理由
   おみつさんの変化
    1回目→2回目→3回目〜
   細かく1つひとつ考えていくと…
   いろいろなことがわかってくる。

   大工さんの変化
   1回目→2回目→3回目
   文章の記述があるのは、1回目と最後である。
   途中は、あっさりと書いてある。
   その部分を想像させたのである。

   おみつさんの変化

   深いところまでつっこんで考えさせる。
   (例)おみつさんの変化
      はじめて…わらぐつが売れた
       ↓
      2回目
       ↓
      3〜○回目
  
   細かに追っていく。
  

   ある学校の新卒の先生が新河岸小を参観。
   私は、2時間目に授業を公開する。
   ・基礎学力づくり
    10マス計算と音読
   ・『わらぐつの中の神様』
    大工さんとおみつさんの変化をくらべる
    指名なし発言による授業。
    ものすごい発言量だった。
    切り口をもシャープだった。
    久しぶりに手応えを感じる授業だった。
    

    

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