一文解釈
 
    
俳 句
 

  一文解釈
          俳 句
 
 
 菜の花や月は東に日は西に
  
                    与謝蕪村
  

   を取り上げる。
   教科書(光村 6年)に載っている句である。

   ・俳句の解釈
    
   15分間の授業

   一文解釈は、ユニット授業の1つ。 
   15分間が標準。
   この中で、書く、考える、発言する、聴く をおこなう。

   書く・考える 3〜5分
   解釈したことを書く。
   特に、発問をすることはしない。
   子どもたちが、「書くことがある」が前提になっている。
   ・全体のイメージ(全体)
   ・一つひとつの言葉(部分)
   粗くいって、2通りの迫り方がある。
   俳句の場合、無駄な言葉がいっさいない。
   凝縮されている。
   凝縮されているものを戻す作業が必要。
   わかめを戻すようなものかもしれない(笑)
    
   たくさんあるものから→凝縮する
   凝縮されたものから→たくさんあるものに戻す

   一文解釈の場合は、後者である。
   前者で典型的な例は、説明文の要旨だろう。
   「一言でいうとどういうこと」
   「端的にいうと、どういうこと」
   つまり、まとめである。
   結論を導き出す作業といえるだろう。
   
   後者は、わかめを戻す、圧縮ファイルを解凍する作業。
   かっこよくいえば、イメージをふくらませるということである。

   子どもたちは、3〜5分、自分の考えを書く。
   全体の情景をイメージして書く子がいる。
   まず「菜の花や」だけに限定して書く子もいる。

   発言・聴く
   次は、指名なし発言である。
   自分の考えをどんどん発言していく。
   友だちの意見を聴くことにより、新たな発見がある。
   だから、子どもたちは真剣に聴く。
   真剣に聴くと、いいことがたくさんあるからである。
   
  ・新しい発見がある。
  ・おもしろい。
  ・その子の見方・考え方がわかる。

   人の意見を聴くことで、新たな考えが生まれる。

   発言は、真剣に受け止められる。
   どんな発言でも、バカにする子はいない。
   その発言を活かそうとする。
   このへんは、学級経営が大きくかかわってくる。

   さて、指名なしの発言より意見をピックアップしてみよう。

   なぜ菜の花なのか、他の花でもいいのではないのか。
   数ある春の花から、菜の花を選んだわけ。
    
   菜の花が主役である。
   1本ではなくたくさんある。
   菜の花畑。
   一面菜の花。
   見わたすかぎり菜の花畑
   どんな黄色か

   普通の黄色とは違う。
   オレンジがかった黄色。
   きらきらして輝いている黄色。
  
   夕焼けの日の光を浴びている菜の花がきれい。
   いいにおいがする。
   風に揺れている。
   目が釘付けになっている。
  
   すごくきれい
   夕焼けの光を浴びて輝いている。
   光っている。
   光を浴びている花の色が鮮や
  
   夕日の光と月の光の両方に照らされている。
   それがきれい。
  
   菜の花、月、夕日の3つが融合している。
  
   月の光と夕日の光が混ざり合っているところに菜の花があ
  る。
  
   日が落ち月が昇る
   色の変化がとてもきれい。
  
   初めての体験
   これから何度も体験できることではないこと。
  
   これは本当に見たことか、想像か?
  
   直接見て感動して書いた
  
   その他いろいろ。

  このあと、また書く。
  みんなの意見を聴いたあと、自分の考えは変わっているはずであ
 る。

  2回目の授業

  15分間
  書く→発言・聴く→書く

  ・話者は、どこから見ているのか。
   花畑の近くか、少し離れているのか、遠くなのか。
   ・全体を見ている。
   ・花畑全体を見渡せるところにたっている。
   ・花畑の中に立っていることも考えられる。
  
   ・視線の移動
   月の方から日の方に視線を移動している。
   少しずつ視線を移動している。
   景色を楽しみながら、少しずつ目を動かしている。
   まず、全体をさーっと見て、それから月の方から見ている。
   
   ・菜の花畑は広いのか。
   広大、かなり広い。
   見渡す限り菜の花畑。
  
   ・花は咲き始めか、盛りか。
   真っ盛りという意見が多かった。
  

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