文章題の指導




  算数の授業

  文章題の指導

 計算はできるが、文章題は苦手という子が多い。
「どうしどうしていいかわからない…」
 どこでもよく聴く声。
 文章題を解く力は、国語+算数の力である。
   文章の解釈…国語の力
   計算…算数の力
   

 この国語の力にスポットを当ててみよう。
 反復トレーニングすることにより、かなりの力がつく。

 そこで、授業の中に反復練習を取り入れる。
 といっても、問題をたくさんやるわけではない。

 まずは、音読。
 文章題ができない子は、すらすら読めない。
 例外なくそうである。

 声を出すことにより、自分がわかっていないことに氣づく。
 ・言葉がわからない
 ・言葉の意味がわからない
 ・問題の意味がわからない。
 声を出して読むことにより、問題の意図がわかってくる。

 すらすら読めるようになったら、次に進む。
 わからない言葉があるかどうかを聴く。
 ある場合、言葉の意味を説明する。

 いよいよ本題である。
 問題文を読むところから、1つひとつ確認していくのである。
 たとえば、次の所である。

 式の表し方
 
 中島さんはあめを買いに行きました。
 あめは下のように4種類あります。同じ種類のあめを5個買うときの代金は、どんな式で表されるでしょう。

  1こ 10円  1こ 20円  1こ 30円  1こ 40円

「中島さんは、あめを買いに行ったんです」
「私も、中島さんはあめを買いに行ったんだと思います」
 同じような意見が続く。
 以前の私なら、バカらしくてやらなかったことである。
 今は、この「バカらしいことが大事」だと思っているので、わかりきったこともいわせている。
 わかっているようでわからないことが、はっきりしてくる。
 よくわからない子にとっては必須の作業。
 苦手な子は、状況をイメージできないのである。

「あめは4種類あります」
「あめは、4種類あると思います」
「緑のあめは、一個10円です」
「赤のあめは、一個20円です」
「一個30円のあめもあります」
「一個40円のあめもあります」

「『同じ種類のあめ』 というのはどういう意味ですか」
とある子がたずねる。
「10円のあめなら、10円のあめだけということです」
「緑なら緑のあめだけだと思います」
「色が同じだと思います」
「形も同じだと思います」
「値段も同じだと思います」
「一個10円のあめと、一個20円のあめを混ぜてはいけないということです」

「『5こ買う』というのを式で表すとどうなりますか」
ある子が聴く。
「一個10円のあめの場合、5×10になると思います」
「私は、違って、10×5になると思います」
「私も、10×5になると思います」
「5×10だと、一個5円のあめを十個買うことになってしまいます」

 こんな感じで進んでいく。
 しつこすぎるかなというくらい、くり返させる。
 実際にいわせることが大切である。
 ※とくに、力が弱い子には絶対必要である。
  
・声を出していわせる
※普通、一人ではできない。
 できるようでできない。

 これくらいくり返すと、わかっているつもりの子がものすごく減る。くり返しているうちに「ああ、そういうことなのか」ということがわかってくる。習うより慣れろである。
 今はまだ、時間がかかるけれど、慣れればものすごいスピードで確認できるようになるだろう。
 

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