バリエーション



 新しい授業をします。
 最初は、教師も子どもも一生懸命やります。
 新鮮です。
 しかし、少したつと中だるみがやってきます。
 鮮度が薄れ、氣合が入らなくなるのです。
 いくらいいことでも、同じことを続けているとあきる…
 人間の宿命かもしれません。

 そこで、工夫が必要になってきます。
 工夫とは、変化させること(バリエーション)です。
 ちょと変えるだけで、鮮度が戻ります。
 
 
 ひらがなの指導


 ひらがなを指導します(1年生)。
 はじめは、新鮮です。
 字を覚えようと一生懸命やります。
 
 マンネリはすぐにやってきます。
「また、字を書くの」
という子が出てきます。
 「き」という字を教えます。
 5回くらい書かせます。
 これで終わり…となるとすぐにあきるでしょう。
 ひらがなの指導全部がこのパターンでは。
 「覚えたら終わり」ですからね。

 「『き』のつく言葉を探してみよう」
 これは、誰でもやることでしょう。
 誰でもやるが、差がつくところでもあります。

 変化させてみましょう。

 初級

  口頭
   ・自由にいわせる
   ・順番にいわせる
   ・班対抗にする
 
  書かせる
   ・自由に書かせる。
   ・「○個見つけよう」と数を示す。
   ・「できるだけたくさん見つけよう」
   ・書いたものを発表させる。

 中級
   ・「最後に『き』がつく言葉を見つけよう。
   ・「『き』がつく○字の言葉を見つけよう」
    (2文字、3文字、4文字、5文字〜)
   ・「『き』が2つつく言葉を見つけよう」(例 「つつ」9
   ・「上から読んでも下から読んでも同じになる言葉を見つけよう」(例「」)
   ・「『き』がつく植物を見つけよう」
   ・「『き』がつく動物を見つけよう」
   ・「『き』がつく○○を見つけよう」
   ・「『き』の階段をつくろう」(下図参照)



   ・絵も描く
    ※一人ひとつ書かせると、人数分のカードができます。
     あとで、使えます。
     絵を見せて、言葉を当てさせるのです。
       例 
        表…絵
        裏…「き」のつく言葉
   ・あてっこクイズ→ジェスチャーをさせる それが何だか当てさせる。
   ・パフォーマンス→「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲー 鬼太郎の『き』」
   ・「日記の中に、『き』がつく言葉をたくさん入れよう」
   ・「文の中に『き』がつく言葉を○個入れよう」
   



 
音読(表現読み

 『お祭』(北原白秋)という詩があります。
 群読に適した詩として有名ですね。
 冒頭は、次のようになっています。

 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。

 御輿をかついでいるときのかけ声です。
 子どもたちがのります。
 元氣いっぱいの声が教室に響きます。
 しかし…だんだんあきてきます。
 あきる前に、バリエーション。

 読み方の変化
 一気に読ませる
 わっしょい チャッチャ わっしょい というリズムで読ませる
 
 動作化
 低学年の子はのりのりです。

 グッズ
 拍子木を使います。

 人数の変化
  わっしょい、わっしょい、 1人
  わっしょい、わっしょい。 班で

  わっしょい(1人)、わっしょい(2人)、
  わっしょい(3人)、わっしょい(4人)。

 かけ合い
  わっしょい(A)、わっしょい(B)
  わっしょい(A)、わっしょい(B)

  わっしょい(A)、わっしょい(B)
  わっしょい(全)、わっしょい(全)

 声の大きさの変化
「御神輿が、遠くに見えます。かけ声がかすかに聴こえてきました」
     ↓
「だんだん、近づいてきます」
     ↓
「目の前にきました」
     ↓
「だんだん、はなれていきます」
     ↓
「うんとはなれていきます」


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