10マス計算



 10マス計算       
 
 100マス計算は、有名ですね。
 全国の定番です。
 しかし、いきなり導入すると、抵抗ある子も多いです。
 力がないのに100題は多すぎます。
 そこで、10マス計算をやらせます。
 どの学年を受け持っても、ここから入ることにしています。
 (※もちろん、1年生は違います。)
「かんたーん」
 子どもたちはいいます。

 しかし…
 制限を設けると、けっこう難しいのです。

 ◆10マス計算

┏━┳━┓
┃+┃  ┃ 左のようなプリントを用意します。
┣━╋━┫ 
┃0 ┃  ┃ 升目は、1p方眼くらいがいいと思います。
┣━╋━┫ 
┃9 ┃  ┃ 私の場合、B4版でつくっています。
┣━╋━┫
┃3 ┃  ┃ 下の列が10列できるようにつくります。
┣━╋━┫
┃7 ┃  ┃ 0〜9の数字をアトランダムに並べます。
┣━╋━┫
┃2 ┃  ┃ 問題は、列によって変えてください。
┣━╋━┫
┃4 ┃  ┃
┣━╋━┫
┃5 ┃  ┃
┣━╋━┫
┃8 ┃  ┃
┣━╋━┫
┃6 ┃  ┃
┣━╋━┫
┃1 ┃  ┃
┗━┻━┛


 このようなプリントをつくります。
 +のとなりには0〜9までの数字を入れていきます。
 たとえば、1を入れたとします。
 次のようになります。
┏━┳━┓
┃+┃1 ┃ 
┣━╋━┫
┃0 ┃  ┃ ここのマスには、1+0なので、1と書きます。
┣━╋━┫
┃9 ┃  ┃ ここのマスは、1+9なので10と書きます。
┣━╋━┫
┃3 ┃  ┃ 以下同様にやっていきます。
┣━╋━┫
┃7 ┃  ┃ 10題、10秒でできたら合格です。
┣━╋━┫
┃2 ┃  ┃ 教師は、タイムを計ります。
┣━╋━┫
┃4 ┃  ┃ 「1,2,3」とカウントします。
┣━╋━┫
┃5 ┃  ┃ できたら「はい」といわせます。
┣━╋━┫
┃8 ┃  ┃ 何秒と書かせます。
┣━╋━┫
┃6 ┃  ┃ 10秒切れない子は、何題できたか書かせます。
┣━╋━┫
┃1 ┃  ┃ 
┗━┻━┛      

 同様に、+の右に、2を入れます
 同じように、3〜9もやっていきます。

 +0,+1、+2くらいは、簡単にクリアできる子が多いです。
 しかし、+9になると、とたんにスピードが鈍ります。
 20秒かかってもできない子がいるかもしれません。

 1回目は実態調査
 0→1→2→3→4→5→6→7→8→9
 の順にやっていきます。
 全部10秒でできる子は、少ないと思います。

 次からは練習です。

 まずは、「0」だけをやります。
 全員が10秒切れたら「1」に進みます。
 以下同じように、「2」→「9」と進みます。
 ※「9」は計算のコツをつかめば速くできます。

  制限タイムは、実態に応じて変えてください。
  ただし、20秒以上にするとだれます。
  長くても20秒がいいと思います。

  バリエーション

   40題連続…0、1、2、9を連続でやらせます。
         制限タイムは、40秒。
         速い子は、20秒くらいでできます。

   20題連続…9、9 を連続でやらせます。
         制限タイムは、20秒です。

  毎日、5分
  継続してやっていきます。
  0、1、2、9ができるようになったら、次は、8をやります。
  以下、7、3、4、5、6という順番でやっていきます。
  (順番は、変更可です)

  このようにして、全部の段10秒以内にできるようにします。



 詳細 10マス計算

 100マス計算は、やるのに時間がかかります。
 力の弱い子にとっては、かなり厳しい学習になります。
 そこで、だれでも取り組める10マス計算をやってみましょう。

 ◆10マス計算
 上のようなプリントを用意します。
 ※資料参照
  B4版 
  両面刷り
  片面10列
  列ごとに問題を変えます。
  0〜9の数字をアトランダムに並べます。


【やり方】
  +のとなりには0〜9の数を入れます。
  たとえば、1を入れたとします。
← ここのマスには、1+0なので、1と書きます。
次のマスは、1+9なので10と書きます。
以下同様にやってきます。く。
  10題、10秒でできたら合格です。
教師は、ストップウオッチをもちタイムを計ります。
  できたら「はい」といわせます。
  @「1,2,3」とカウントします。
  A「はい」といったらタイムをいいます。「8秒」
  何秒でできたか書かせせます。
  10秒切れない子は、何題できたか書かせます。

 同様に、+の右に、2を入れます。
 同じように、3〜9もやっていきます。
 +0、+1、+2くらいは、簡単にクリアできる子が多いです。
 しかし、+9になると、とたんにスピードが鈍ります。
 20秒かかってもできない子もいるでしょう。

 1回目は実態調査
 0→1→2→3→4→5→6→7→8→9の順にやっていきます。
 全部10秒でできる子は、少ないといます。

 次からは練習です。まずは、「0」だけをやります。
 全員が10秒切れたら「1」に進みます。
 以下同じように、「2」→「9」と進みます。
 ※「9」は計算のコツをつかめば速くできます。

 制限タイムは、実態に応じて変えましょう。
 ただし、20秒以上にするとだれるので要注意です。
 待ち時間が長いと集中力が切れてしまいます。
 長くても20秒くらいがいいでしょう。
 ※1年生は、この限りではありません。

 毎日、5分〜10分、継続してやっていきます。
 0、1、2、9ができるようになったら、次は、8です。
 以下、7、3、4、5、6という順番でやっていきます(順番は、変更可です)。
 
 方法各種
 ・「よーい、ドン」(いきなりやらせる)
 ・答えを唱えさせる。→「よーい、ドン」
 ・心の中で唱えさせる→「よーい、ドン」

 バリエーション 
 同じことを続けていると、マンネリになりパワーダウンします。特に教師!
 ある程度までできるようになったら、ちょっと変化をつけましょう。
 連続 20題連続…9、9 を連続でやらせます。
         制限タイムは、20秒です。
      その他…30〜50題連続
表全部(100題)
         裏表全部(200題)
 タイムリミット
   10秒制限を、8秒制限、7秒制限にします。
   制限時間を変えるだけで、問題が難しくなります。
 ハンディキャップマッチ
   速い子には、ハンディキャップをつけます。
   「よーい、ドン」でスタートさせません。
   「3秒まで数えたらスタート」など。
 パフォーマンス
  いろいろあります。
   
 裏 技
 力が弱い子に対しての指導例
  あらかじめ答えを書かせておく。それをなぞらせる。
  あらかじめ、3題くらい答えを書かせておく(フライング)。
  教師が答えを教えて、それを書かせる。
   
 初期の段階では、じっくりやります。
 +0、+1、+2あたりは時間をかけます。
 「簡単すぎる」というくらいまで、やりましょう。
 実力がついてくると、加速してきます。
 1年かけてやるつもりなら、ゆとりを持ってできます。
 たし算、かけ算、ひき算ができるようになると、計算力は飛躍的に伸びます。

 10マス計算ができるようになったら、100マス計算をやらせます。 

 ステップアップ
 10マスたし算→かけ算→ひき算

 フラッシュカード カード
   ↓
 10マス計算
   〃   の連続(20→30→50)
   ↓
 100マス計算
   ↓
 10回たし、10回ひき

 波及効果
 10マス計算の授業は、計算力をつけるだけではありません。
 いろいろな波及効果があります。
 なんといっても、集中力がつきます。
 学習に対する構えができてきます。


 10マス計算 その特長

 ・短時間でできる。
 ・練習の成果が目に見える。上達が目に見える。
・練習した結果がすぐに出る。
 ・毎日継続できる。簡単
 ・上達のシステムが確立している。
  ↓
 効果
 10マス計算をやることにより
 ・集中力がつく
 ・見通し
 ・意識
 ・段取り
 ・練習方法

 授業を通して
 ・成功体験をさせる
 ・上達の喜びを味合わせる。
 ・やる氣にさせる。

 次は、ポイントです。
 
大きなポイント
 まず、押さえるべきこと
 ・1年生レベルからスタートする。
 ・簡単
 ・準備がいらない
 ・短時間
 ・上達論
 ・おもしろく
 ・リズム
 ・テンポ

 細かなポイント
 大きなポイントをくだいたもの
 発想の転換
 細分化
 ・先取り 優先席
 ・スピード…テンポをよくする
 ・リズム 疲れない だれない 心地よい
 ・ショートの繰り返し  
 ・何度も挑戦できる
 ・上達が目に見える
 ・バリエーション さまざまな方法
 ・細分化
 ・切り口を変えて

 ミクロのポイント
 勝負をわけるポイント(具体策)
 ・手を離さない(小指丘をつけたまま)
 ・鉛筆の工夫 ユニの2Bがよい。
 ・2本用意しておく(折れ、落ち対策)
 ・1回1回鉛筆を(紙から)はなさない。
 ・書くとき目は次の問題を見ている。
 ・終わったら、次の列の問題を見ている。
        頭の中で、計算している。
 
 波及効果
 ・成功体験→自信を持つ。  
 ・集中力がつく。
 ・学習のポイントがわかる。
  学習する意味
  学習の方法
  上達の筋道
  「できない」→原因分析→「こうすれば」
  段取り
  などなど。
 ※これらの力が他の学習に転移する。

 


  

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